２０１０年のＧＷは帰郷の予定だった。年末も三河で滞在したし、親の面子も立てたい、というのは動機の５％くらいで本当は旧友と交流を持ちたいし、何より東京の豊富な中古カメラネットワークに触れたいと言うことであった。飢えているのである。勿論、家庭内ジャンク舘の在庫ははちきれんばかりだが、そのほとんどはジャンク拾いでたまには東京の優良物件を吟味したいのだ。しかし、ＴＶでソウルの格安旅行の番組を見て惹かれた。屋台や簡易店舗で売られている食材が美味しそうなのである。それがＧＷの１ヶ月前のことで、すぐさま行動に起こせば条件の良い航空券が手に入るのだが、そこは腰の重い拙僧夫婦なので煮え切らないのである。３週間を切った辺りで妻が３万円台後半で２泊三日の沖縄パックはどうかと提案してきた。沖縄は未踏破なので惹かれるものもあったが、ＧＷなら海に泳げるわけでもなく、３泊で４万円弱と言うのは御得感が無いと思われた。そこで同じお金を払うのなら４泊５日でソウルに向かうのが一層興味深いと思われた。実際には航空券だけで３万円台だろうから、ホテル代やらなにやらを含めるともっと高くつくのだが、ソウルは妻の友人が住んでいるし２泊くらいはさせてもらえそうだ。それに、国内向けホテルなら一室２名の部屋が１泊７０００円くらいで確保できそうなのである。拙僧は韓国には行ったことがないし、沖縄の２泊は忙しそうなのでソウル行きを妻に承知させた。勿論、妻も韓国はネイティブなのでやぶさかではないのである。ハングルはまったく分からないが妻と一緒なら困ることはまず無いだろうな。
それで航空券の確保に走ったのだが、流石にＧＷのチケットは期限が切迫しているのでいい物が無かった。そこで４泊は諦めて３泊にする。ソウルの空港は市外に近い金浦空港と仁川空港があるのだが、仁川空港便しか残っていなかった。それは良いのだが、帰りは９：３０のセントレア行きなので忙しくなりそうである。妻の友人に空港からアクセスが良いホテルの確保をお願いする。結果として中心街から少々離れたサムスン（三成）のホテルを用意してもらったが、ここは都心空港ターミナルがあり目的に適う物であった。この件に関しては後述する。
旅行の主目標は、「散歩をする」「飯を喰う」「服を買う（妻のみ）」「歴史的建造物を見る」「板門店で向う側の気の毒な連中を見物する」であったが、このうち板門店は妻の国籍では立ち入れないことがわかり諦めた。まあ、日本語ガイドツアーが沢山あるので一人でも行けるのだが妻が不機嫌なので止める事にする。そのうち北から訪れる機会もあるだろう。その頃まで北があるのかも分からないけど。ここで我々の病気ものとして「カメラを買う」というのが挙がってこないのは韓国特産カメラと言うのは無いのだ。いや、勿論、サムスン（三星）とかデジカメは優秀な物がいっぱいあることは拙僧も知っている。ここで無いと言うのは中国やソビエトのようなもう一つの体制で作られた異文化の香りをかもしだすフィルム渋カメラが無いと言うことなのだ。ソウルなら南大門の街道筋に中古カメラ屋が連なっているが、そこはニコンとかローライとかライカが所狭しと並んでいるのである。漢江とか白頭山なんていう中判カメラでもあれば手が伸びるのだが。北にはあったりして。
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そこで病気ものとしては、どんなカメラを持参するのかが興味の中心である。幾つかの逡巡があったが最終的には以下の通りになった。
・ニコン Ｄ７０＋１８～７０ｍｍ＋１６ＧＢメディア
・ニコン ＡＦニッコール５０ｍｍＦ１．８
・シグマ ＤＰ－１＋８ＧＢメディア
・ペンタックス オプティオＷＰ
・マミヤ 旧マミヤ６＋モノクロ
・京セラ コンタックスＴ２＋モノクロ
・フジカ ＺＸＭ３００
当初はメインにＤＰ－１を据えてフィルムは旧マミヤ６でじっくりモノクロを撮るつもりだった。ＺＸＭ３００は、ぼちぼちシングル８の終焉なので有終を飾らせたい。オプティオＷＰは雨天予想されたいたのでその準備であった。丁度、その少し前にジャンク籠に転がっていたのである。程度は良くないが水中で撮影するわけではないので問題は無いだろう。当初は外したかったデジ一眼レフを加えたのはＤＰ－１が実質デビュー戦で不安があったのと、やはり一眼レフと言うのは拙僧の世代ではやる気が出るのである。
お陰で毎度のことながら装備はヘビーになったのだが、案外これはこれで助かることになる。
メモ情報編へ続く。
