カメラ趣味もジャンク方面に進出（堕落？）すると、この手の一眼レフ風簡易カメラにぶち当たります。本カメラは軍幹部の背が低いのでちょっとキヤノンペリリックスやコンタックスＳを髣髴させるけど、勿論、これは一眼レフカメラではなくて、それらしい外装を纏った「写るんです」寸前のビューファインダー簡易カメラであります。正面から見るとファインダーの隣に採光窓のような物が見えるんだけど、べつにブライトフレームが有る訳でもなく、フェイクに徹しているのには逆に好感を持ってしまいます。この手のカメラはいろいろな名前で世に出現するのですが、ＹＵＮＯＮというのは比較的メジャーなブランドのようです。本カメラはｙｎ６００ですがｙｎ３００も存在するらしいです。どこが違うのかは拙僧には判りません。台湾製。
　巻き上げは「写るんです」じみたスプロケットダイヤルで行います。シャッターは単速で想像ですが１／１２５位でしょうか。それなりに存在感の有る鏡筒ですが固定焦点で、ヘリコイドによって４段階（Ｆ６，Ｆ８，Ｆ１１，Ｆ１６）の絞りの設定ができます。絞り羽根はバナナみたいな切欠きの有る１枚板ですが、ある程度の撮影シーンに対応できそうです。レンズには「ＯＰＴＩＣＡＬ　ＣＯＬＯＲ　ＬＥＮＳ」、「ＡＵＴＯ　ＦＩＸ　ＦＯＣＵＳ　５０ｍｍ　ＬＥＮＳ　１：６」と記述があります。「ＡＵＴＯ　ＦＩＸ」の辺りがとても怪しい感じですな。Ｆ６という暗さもさる事ながら、５０ｍｍの固定焦点が果たしてあてになるのかどうかは興味深いところです。感心するのは巻き戻しクランクを引き上げると裏蓋が開く方式になっている事で、密閉感もあるのでフィルム装填時の安心感は高いです。それとホットシュー付き。手に取ると意外に重量感が有り、噂によると底に重りが入っているそうです。グリップとあいまってホールディングは良好であります。
　撮影上困ってしまうのがファインダーがあてにならない事です。そもそもブライトフレームが浮かんでいるわけでもなく、くりぬいた穴にアクリルの板を貼りつけただけの代物なので、まともなフレーミングは期待できないでしょう。気になるのがフィルム巻き上げ時の送り量が少なすぎる気がする事です。実際、２４枚撮りフィルムを装填したら２８枚撮影できたんだけど大丈夫なのだろうか？

　拙僧も本カメラを意して拾った訳でもなく、なにかのジャンクセットの中に混ざっていた物のひとつであります。果たして実用になるカメラなのか？

　撮影結果を見て頂きたい。

（了：２００６／０３／０７）