ようこそチノンの世界へ。拙僧はブログのアクセス数にはそれほど拘っていないのだが、ニフティのココログは基礎的な解析ツールがあるので、ちょいちょい見てはいる。具体的なアクセス数は伏せるとして、タマにアクセス数が飛び抜ける場合があるのだ。それはニコンやキヤノンのフラッグシップでも女子ポートレイトでもなく、チノンを扱ったコンテンツである。左様にデジカメが当たり前でＴＭＡＸが１本１０００円になってしまった現在でもチノンのファンは根強い。
　チノンの沿革については、他のコンテンツで何度か展開しているので本ページでは述べない。困ったのはネットで調べても本カメラを取り上げたコンテンツが少ないのである。海外のサイトでも全く無い。チノンのコンパクトカメラは思いつきのように湧き出たと思えるケースが多いが、多くは何かしらの部品を共有している。しかし、同じような機種名だからと言って共通化を図っているかと思うと大間違いだ。本カメラは「オートＧＬ」の名を冠しているが、「ＧＬ」と名づけたチノンのカメラは少なくない。しかし、ツリーのような進化形を持っているかというと微妙だな。例えばＧＬＸテレは二焦点のＡＦカメラだしな。しかし、思いっきりＡＥが簡素なあたりは共通点がある。むしろ、命名に共通点が無いカメラが血脈を受け継いでいたりして、その辺の複雑さというか投げやりな姿勢がチノンファン（チノラー）には堪らないのだろう。
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　限られた資料から抜粋すると、本カメラのレンズは３５ｍｍＦ４．５で３群３枚らしい。単三電池２本で駆動し、巻き上げはモーターで自動装填だが、フォーカスユニットは非搭載で固定焦点（パンフォーカス）である。この種の簡易カメラ寸前のカメラには珍しいことではない。不思議なことにＤＸコードを読み取り、Ｃｄｓを使用した露出制御を行っているらしいのだ。しかし、本カメラは１／１２５の単速であり、絞りは虹彩絞りなどではなく、板に丸い穴が開いていてＦ８になるだけだ。通常はＦ８固定だが、フラッシュをＯＮにすると絞り板がずれて開放になるからＦ４．５になる。一応、露光不足を警告するらしいランプがファインダーの横に付いているので、それ用に露出計を搭載しているのだろうか。或いは、ある程度ＡＥ機構を搭載していて、低照度では絞りを開放に制御するのだろうか。多分、そんな機能は無いんじゃないかな。警告ランプだけの為にＤＸを読んで露出計を搭載するくらいなら、無い方がいいんじゃないかと思うのだが、そこがチノンの不思議な魅力である。拙僧はタマタマ、ＩＳＯ１００のアクロスをつめて晴天下で撮影したが、撮影シーンによってはポンコツを量産したかもしれないな。
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　チノンらしい押しの強いフロントマスクが特徴的なカメラである。その実はスカスカのカメラなのだが、まれに鋭い描写して驚かせる。荒々しい諧調ながらシャープな線を描くのだ。もっとも、そういうカットは多くはないので、それなりに条件が揃わないと実力（？）を発揮できないのだろう。実際に、オーバーで白板の文字が読めなかったりもする。
　大胆に切り捨てた思い切りの良さがチノンらしい。なかなか微笑ましいカメラだが、２度目に使うことはないだろうな。